穏やかでない名古屋の四季

名古屋の冬

秋の夜長をゆっくり愉しんだら今度は冷たい風のふく冬がやってきます。

実家が名古屋市だったり名古屋に何年も住んでいるような人でなければ知らないこと かもしれませんが、ビルや人形やテレビ塔が立ち並ぶ都会のイメージの強い名古屋も、 冬には厳しい寒さに見舞われる日が決して少なくありません。 鏡のようなビルに囲まれていると暖かみを感じなくて寒いのではないか、という意見 もありますが寒さの理由はそれだけではありません。 ビルのない住宅地でも寒いですし、ビルも住宅もない公園でも寒いですし、公園も ビルもない名古屋港もやっぱり寒いのです。 厳しい寒さの理由としては、日本海側と太平洋側を分ける山、伊吹山地と鈴鹿山脈が 関ケ原町付近で途切れていることが考えられます。 その隙間から冷たい季節風や雪雲が濃尾平野に流れ込んでくるので、名古屋市も その冷風の影響を受けて凍えるような寒さに見舞われるのです。 この冷たく乾燥した風は伊吹おろしと呼ばれ、これがやってくるとさすがに北海道 とはいわないまでも東北地方並みの寒さになります。 名古屋市のある位置的に、日本のほぼ真ん中なのだから冬の寒さも日本の平均的寒さ になるのでは、暖かいわけはないだろうけど並の寒さだろう、この位置で凍えそうな 寒さだったらもっと北の地域はやばいことになるんじゃないか、せいぜい東隣にある 静岡県位の寒さじゃないかな、それ以上寒いのは地理的にも納得できないし、 と予想されがちな名古屋市の冬ですが、そんな甘い考えでやってきたら到着後3分で 震えてしまうことになります。 味噌カツや手羽先で有名な名古屋市は冬でも雪とは無縁そうなものですが、降る時は 一気に盛大に出し惜しみ無く降り積もります。 今世紀に入ってからでも22センチ以上の積雪を記録したこともありますし、 そうなれば雪対策の不十分な車が走っている道路はあっという間に麻痺してしまい、 事故や渋滞で進めなくなってしまいます。 もともと自動車の交通量の多い名古屋市は積雪にとても弱く、ちょっと雪が積もった だけで大渋滞を起こしてしまうのです。 車だけでなく電車も同じことで、街中の交通が麻痺してしまうことがちょくちょく あるのも名古屋市の冬の厳しさを証明しています。 寒さ対策だけでなくこのような交通麻痺にも対応できるようにならなければ、 冬の名古屋市を克服できたとはいえません。 ただ寒いだけならコートを着たりミニスカートを避けたりブーツを履いたり厚手の ジャンパーを着たりパンツを二枚重ねしたり帽子を被ったりモモヒキを履いたり、 手袋をしたり耳あてをしたり毛糸のパンツを履いたりと、厚着をすることで対策する こともできるでしょう。 寒くないよう外出時の服装を考えてもし雪が降って来たら目の前の喫茶店やファミレス やコンビニに避難し、降り止むのを待つという戦法を採用するだけでもそれなりに 名古屋市の冬を攻略したとも言えます。 ですが天気予報で聞いていた以上に降り続けた場合、あるいは最初から今日は雪が 積もりますので覚悟してください、といった日には、迂闊に外出してしまうと そのまま帰れなくなってしまうこともあるのです。 いつもは道路には流しのタクシーが走り回っていて、市内を網羅している地下鉄も 朝早くから夜遅くまで常時人々を運んでくれている街でも、全ての交通機関がその日の 積雪で全く機能しなくなる可能性もあるということを忘れてはいけないのです。 幸い24時間営業のファミレスなどお店も多いし宿泊のできるマンガ喫茶や ネットカフェ、カプセルホテルもありますので、いくばくかのお金さえあれば家に 帰れなくても雪の積もった公園で野宿するはめにはなりませんし、雪に埋もれて 凍死するようなことにもならないでしょう。 ですが名古屋の冬を甘く考えてはいけません、雪国のつもりで心してかかりましょう。