名古屋の春

愛知県の名古屋市は暑くもなり寒くもなる、まさに日本の気候の縮図です。

藤の花

日本はおおまかに北海道、本州、四国、九州に分けられますが、そのほぼ中央にある 名古屋市は日本の気候・四季の特徴を網羅しています。 中央に位置するから平均的でもあり、そのため名古屋の気候は全国でも比較的穏やかと されていますが、たしかにその一面も持っています。 全国各地の激しい気候とその平均的な穏やかで優しい気候の両方を持ち合わせて いるのが愛知県ですので、県庁所在地の名古屋市はもちろんその周囲の市も同じように 寒かったり暑かったり、そして春には穏やかな気候の住みやすい特徴があります。 愛知県には名古屋市の他にも北名古屋市、岡崎市、豊田市、刈谷市、豊橋市、 安城市、愛西市、新城市、尾張旭市、大府市、半田市、高浜市、蒲郡市、常滑市、 みよし市、田原市、知立市、津島市、小牧市、西尾市、清須市、江南市、東海市、 犬山市、日進市、弥富市、知多市、豊川市、瀬戸市、稲沢市、春日井市、碧南市、 岩倉市、あま市、豊明市、一宮市、長久手市などがありますが、どの地域も同じように 激しかったり穏やかだったりする気候に翻弄されつつ、四季を存分に感じながら楽しく 暮らすことができるのがあまり語られない愛知県の魅力です。 名古屋の春はとても温かく穏やかで過ごしやすい季節ですが、そこだけを見てとても 平凡な街だなぁ、と勘違いしてはいけません。 一年を通して名古屋市の気候に慣れてしまえば日本中のどこでもたやすく暮らすことが 出来るようになると言わるほど、極端な気候を持ち合わせてもいるのです。 夏は蒸し暑くてグッタリ、冬は北風が冷たくでブルブル震える、それが名古屋市の 恐いところでもあります。 日本の他の都市と比べると夏と冬、寒暖の差が激しいという面もありますので、 油断しているとすぐに風邪をひいてしまったりと体調を崩してしまいます。 それでも名古屋市の春は安心して過ごすことが出来ますし、楽しい春のイベントも 盛りだくさんでこの時期だけでも名古屋市の住民になろうと考えている人が、全国に 何万人もいるのではないかと考えられています。 日本人なら春といえば桜、と反射的に頭に浮かびますし、名古屋市でも桜のイベント で住民と訪れる観光客の心をとても盛り上げてくれます。 特に名古屋城で行われるイベントが有名で大掛かりで贅沢で古風で充実しており、 全国からそれを一目見ようと桜好きの観光客や城マニアが押し寄せてきます。 この時期は春の特別観覧で玄関二之間に入室することができたり重要文化財の障壁画 が展示されたり、城を満喫するための企画がふんだんに用意されています。 他にもお城っぽい時代を感じさせるイベントも多数開催されています。 火縄銃の実演もありますし大道芸や古武道大会といった繁華街で見ることの無い 歴史を感じさせる催しもあります。 その光景は同じ名古屋市でも名駅や栄ではお目にかかれない、まるでタイムスリップ したような気にさせられる不思議な感覚にさせられます。 西之丸ステージでは楽器の演奏もありますがもちろん名古屋城にふさわしい楽器の 演奏で、ギター・ベース・ドラム・キーボード・パーカッション・タンバリン・ ハーモニカといった現代的なものではなく、琴・三味線・和太鼓といった昔から 日本で演奏されてきた楽器になります。 桜を見ながら聴くこれら楽器の演奏は日本人の心をブルンブルンルン揺さぶります。 普段はジャズやブルースを嗜むアダルトな方でもこの時ばかりは和楽器の音色に 心を奪われ、目を瞑ればまぶたの裏には城下町が浮かんでくるでしょう。 名古屋市の穏やかな春の陽気の中で行われるこれらの催し物は地元の人も毎年 楽しみにしていますし、遠方の歴史マニア・和楽器マニア・城マニア・桜マニアも ここぞとばかりに名古屋へやってくる一大イベントです。